トオルさんはフフッと鼻で笑う。
そして、逆転して、私を強く抱きしめる。
「俺が加恋ちゃんを見つけた日から、加恋ちゃんは俺の全てなんだ。
加恋ちゃんのためなら、俺はこの命を投げ出しても構わない。
あ、こんな俺って、やっぱり重い?」
重い…
重すぎます…
「でも、一番に願うのは加恋ちゃんの幸せだから、加恋ちゃんが望む事は何でも叶えてあげたい。
でも、それは俺の手のひらの上でだけど。
こんなに綺麗で儚げで、どんな男も加恋ちゃんの魅力にひれ伏す中で、俺は加恋ちゃんを俺のものにしたんだ。
あ~、でも、こんな俺の愛って、セメント四個分より重いよな…」
いえ、四個分とかより四億個分だと思いますが…
「重くなったら、重いって言って…
その時にはちゃんと考えるからさ…」
そんな素直なところが大好きです。
「うん、分かった。
その時にはちゃんと言う」
トオルさんは満面の笑みを浮かべ、私に優しくキスをする。
それは最高に素敵な大人のキス…
私の方こそ抗えない…
涼し気な笑みと余裕に満ちたキスと抱擁は、私の思考を一瞬でトオルさん一色にする。



