「何だ、映司、今日は早いな」
俺はそう言うと、わざと伸びをして自分のブースへ向かおうとした。
「ジェイクハミルトンがどうしたって?」
俺は小さくため息をついた。
マジで、映司にだけは何も知られたくない。
「何でもないよ。
クライアントさんから、ちょっと聞かれただけ」
映司は俺の言葉は無視して、明智君に話し始めた。
「ジェイクハミルトンはマジでヤバい奴だよ。
俺がイタリアにいる時につき合ってたスーパーモデルの彼女が、あいつはただのエロおやじだって言ってた。
ま、でも、確かに、その子もジェイクのショーに出てスーパーモデルの地位をもらったようなもんだけど。
明智君のその頭の辞書に、この情報もインプットしといて」
映司はそう言うと、明智君にウィンクをした。
バイセクシャルで男も女もいける映司にとって、明智君はいいカモらしい。
明智君が気の毒過ぎる…



