願わくは………

四人に守られて……彼女が気づくことなく……

アイツにあきらめるダメージを与えたい。

その為に

彼女に無断で……今回のことを四人に話した。

守る人数は…多いに越したことはない。



「お疲れ~。」

みんなで乾杯をする。

表向きは……ちょっと早めの忘年会。

12月に入ってからは…どこのお店も賑わっている。

オレと佐藤さんの組み合わせに……少し戸惑ったようだが

元々人を疑わない性格だけに

仲良くなる為にオレが誘ったと、勝手に解釈したようだ。

オレの横に座って、カルピスを飲みながら楽しそうに過ごしている。

途中何度かアイツが来てチョッカイを出したが……

このメンバーでは、会話もままならない。

「唯ちゃん、こっちで一緒に飲もうよぅ。」

「一人だから淋しいよぅ~」

そう言って、彼女の手を引く。

………………………はい!アウト!!

これでOK!!

あぁ~!!腹立つ!!!!

アイツと彼女を除く全員の心の声。

これが嫌で………この作戦を最後まで躊躇った。

彼女は遠足の時。

鬼のオレと手を繋ぐのに固まった。

フォークダンス以来だと………

そんな彼女に……現行犯で捕まえるためとは言え……

かなり可哀想なことをさせる。

ごめん。

心で謝って……目でサインを送る。

梓先生と海晴先生が彼女をトイレに立たせたら……

話しに行く。

正直……殴りたい程の感情だ。

オレの立場なら……園長と相談して簡単にクビに出来る。

例え彼女でなくとも……園長もクビにすると思う。

しかし………

彼女は望んでいない。

むしろ助けたいと思っている。

ここでオレが感情的に行動したら……

彼女はオレにもアイツにも申し訳ないと……

心を病んでしまう。

だったら……オレの行動は…一つしかない。