たとえ君がいなくなっても私は忘れない





「優梨?
そのままでやるのか?」



彼の方をじっと見ていた私を不思議そうに見てきた。



「あっ、ううん。
今から履く!」



そう言ってさっき彼に渡されたズボンを履く。



「うわっ、やっぱりスカートからズボン見えててダサい……!」



「そんなの気にしないかったら大丈夫。」



彼はさらっとそんなこと言うけど、女心を全然わかってない。



こういうところも気にしちゃうのが女なのだ。



まあ私はあまり気にしないんだけど、これは本当にダサいからちょっときつい。



でも仕方ないと思い直し、立った状態のまま軽くストレッチをする。



部活のバスケは縛られてる感じがして、心も身体も重くなる感覚に陥る。



だけど今はどちらも軽くて、いつもより動けそうな気がする。



不思議だ。



本当になんでだろう、なんて思っていたら隣で彼が笑い出したから驚いた。