「ねぇ。」
「………どうした?」
私が声を出すと、彼は部屋から玄関の方を覗くように見た。
「スカートだから体操ズボン貸してほしいんだけど、いい?」
「あー、確かにスカートじゃダメだな。
今ここで履くか?
ていうかジャージ全部貸そうか?」
「いや、それは悪いからいいよ。
下だけ借りたい。
今履くとスカートから見えてダサいだろうし公園で履きたい。」
「おっけ、じゃあ持って行くな。」
「ありがとう。」
よし、これでなんとかバスケできそうだ…………
って、今私ワクワクしてない?
今からバスケができることに対して。
この気持ちが懐かしくて、同時にどうしてこんな気持ちになるのか不思議だった。



