たとえ君がいなくなっても私は忘れない





ーー「あんた、一人暮らしなの?」



下見が終わり、その場所で遠足のバーベキューをすることに決まった。



その後に彼の家に来たのだが、彼はアパートで一人暮らしらしかった。



まさか一人暮らしとは思っておらず、私は驚いた。



「そうだよ、一人暮らし。


転校してからだから、まだ一ヶ月くらいしか経ってないけど。」



「え?じゃあ親の転勤とかで引っ越したわけじゃないの?」



私は不思議に思い、何気なく聞いた。



「うん、まあそうかな。
色々事情があって。」



色々、事情がある………。



「私には色々聞いてくるくせに、あんた自身のことは濁すんだね。」



この時なぜこんなきつく言ったのかわからなかったけど、私だけ、と思うと腹が立ったのだ。



彼は図星を突かれ、ばつが悪そうな顔をする。