たとえ君がいなくなっても私は忘れない





「プラスのことなのかなぁ。」



「うん。
だからそれを自信にしてやればいいんだよ。


これだけはチームの誰にも負けない!って思ってさ。」



チームの誰にも負けない………でもそれぐらいの気持ちがないと上手くはなれないよね。



「今さらじゃないかな。」



「引退まで少ししかないから後悔しないように頑張るんだろ。


結局人は何しても後悔するだろ。
あとはどれだけその後悔を減らせることだと俺は思うけど。」




何しても、後悔する。



どれだけ後悔を減らせるか………。




その言葉は素直に受け入れられて、少し心が軽くなった気もする。



「てことで今日からだからな!
俺と勝負だ!」



「はぁ!?
そんなの男のあんたに勝てるわけないでしょ。」



「本気で俺全然バスケしてないから、衰えてる。」



そういう問題じゃないっての……!



半ば呆れつつも、心の中では少し楽しみだなって思ったことは絶対彼には言わないと決めた。