たとえ君がいなくなっても私は忘れない





「でも優梨も絶対上手いだろ。
この間一瞬見ただけですごかったし。」



「お世辞ありがとう。
上手くないよ、全然。」



もっと私が上手かったら、なんてよく思ってる。



「お世辞じゃないって。
レギュラーの時点で実力があるってことだろ。」



「三年だからでしょ。」



もうすぐ引退だし、そもそも最高学年がレギュラーになるもんじゃないの?って勝手に思い込んでる。



そりゃそこそこ強いチームだから、上手い人優先だと思うけど、それでもなんで私なんかって思ってしまう。



この間は“試合に出たくない”って思ってたし。



「優梨はすぐマイナス思考に陥るんだなぁ。」



そんな私を見て彼が呆れ顔をした。



なんで彼にそんな顔されないといけないんだ。



マイナス思考になるでしょ、自分に自信がないっていうのに。