たとえ君がいなくなっても私は忘れない





「優梨がどれだけ上手いのか見るの楽しみだなぁ。」



「変に期待しないでよね。」



もうこうなれば諦めるしかない。
彼なら無理矢理連れて行きそうな気もするから。



私の言葉を聞いて、彼は嬉しそうに笑った。



わかりやすすぎる。
彼は本当に顔にでるんだな。



「俺も結構上手いんだぞ?
一応エースだったから!」



「へぇ、まあそんな気もするけど。」



「やっぱり俺ってバスケできそうな顔に見えるんだな!」



……自意識過剰。
どれだけ自分に自信があるんだ。



でも同時に羨ましくもある。



私には自信のかけらさえもないから。



いつも不安ばっかで周りと劣等感を感じて、下手くそが試合に出ていいのかなって思ったり。