たとえ君がいなくなっても私は忘れない





「ならやっぱりバスケ部に入ればよかったじゃない。」



「入ってすぐ引退は悲しすぎるから、そらはやっぱ無理だった。」



じゃあもう諦めるしかない。
なんて思っていたら、彼が私を見て笑った。



まるで“いいことを思いついた”とでも言いたげな顔で。



また、嫌な予感が……



「今日の下見が終わった後バスケしよーぜ!」



ほら、やっぱり。



「絶対に嫌。」



なんでオフの日にまでバスケをしないといけないんだ。



……そう思ってしまうくらい、
今はもうバスケに思い入れがないのだ。



それはそれで悲しくなるけど事実だ。



「俺が指導してやるから!」



「はぁ?第一どこで……」
「俺の家の近くにバスケットゴールがある公園あるから!」



「なんでいちいちあんたの家まで行かないと……」




「バスケットボールも家にあるし。ほら決まり!」



なんという強引な人間なんだ彼は。