たとえ君がいなくなっても私は忘れない





「で、何決めるの?」
「おっ、やっとやる気になってくれた。」



やる気どうこうじゃなくて、やらないと帰れないでしょ。



あのクラス全員の視線が集まった状況じゃ、さすがの私でも断れないから。



「えっとな、場所はある程度、候補は決まってるけどその中からどれにするかだな。


二つくらい決めて下見に行くんだ。
遠足委員で。」



さらっと、特に気にすることもなく彼はそう言ったけど私は引き止めずにはいられなかった。



だって今、下見行くって言ったよね?



「下見って私とあんたと?」
「うん、遠足委員だから。」



意味がわからない。
なんで彼となんか……!



「私部活あって無理だから。」
「俺は土日でも大丈夫だぞ。」



「土日はゆっくりしたい。」
「なら今週のオフはいつなんだ?」



……なんでオフの日にまで彼と会わなければいけないのだ。