ーーー「おーい。」
「…………。」
「優梨さーん?
聞こえてますかぁ?」
「…………。」
もう、私は諦めた。
諦めるしかなかった。
彼の予想外の行動に、私の心は追いつかない。
もう呆れてため息をつくことしかできない。
放課後の教室で残らされている私。
私と彼以外、もう誰もいなかった。
「怒るなって。」
「……部活、あるんだけど。」
「だったら早く終わらせないとな!」
「……もういい。」
彼のせいで今日、どれほどクラスの視線が私に集められたか。
彼だって、
「上田さんのこと好きなのか!?」って男子にからかわれてたし。
嫌じゃないの?そういうの。
少し仲良くしただけで好きとかなんとか言われて、面倒くさいはずなのに。



