たとえ君がいなくなっても私は忘れない





早く、終わってほしい。



とりあえずうるさい。
耳が痛くなる。



「桐原くん人気すごいねぇ。」



沙良ちゃんの声が聞こえ前を向くと、沙良ちゃんが振り向いて私を見ていた。



うん、すごいね。
これが彼の望んでたことなんだろうか。



みんなから好かれることが、彼の望み?
優越感に浸りたいの?



「先生、俺一番最初に立候補したんでもう一人は指名していいですか?」



「いいぞ。
この中から好きなやつ選べ。」



彼の言葉に対し、先生は肯定して余計クラスが騒がしくなる。



ほぼ半数以上が彼に指名してほしいらしい。



「へぇ、桐原くん誰指名するんだろ。
女の子指名したら面白いのにね。」



沙良ちゃんはそんな彼を見て興味を示していた。
私は別にどうでもいいしなんでもいい。



だからもう一度窓に視線を戻した時、ようやく彼が指名した。





「上田優梨で。」




と………。