「そういうの好きなんで、俺やります。
でも一人じゃちょっと厳しいですね。」
「ああ、もちろん桐原一人にはやらせない。
遠足委員は二人にしようと思ってるからあと一人………」
と、先生が言いかけた瞬間
クラスの半数以上がほぼ同時に手をあげだした。
「颯汰やるなら俺もやる!」
「そこは男女一人ずつでしょ、私やる!」
さすが人気者で男女から支持を集めている彼だ。
みんながみんなやりたがりだした。
それも全部、彼のおかげ。
というか彼だからだ。
先生も生徒の変わりように半分驚きつつ、誰にしようか悩んでいるようだった。
でも私は手をあげてないしあげる気なんてない。
だから関係ないのだ。
騒がしい教室から逃れるように、窓の外へと視線を向ける。



