「でも、優梨を変えたのも全部桐原くんのおかげなんだよね。」



……颯汰。



颯汰の名前が突然出てきて正直驚いた。
でも、それと同時に嬉しかった。



私以外の誰かが、颯汰の存在を覚えてくれてたってことに。



「その、今は桐原くんとはどうなってるの……?
途中で転校しちゃったでしょ?」



少しためらいがちに聞く鈴香は多分何も知らない。



だから私はなんのためらいもなく、鈴香に話した。




「もう、颯汰はいないよ。」




と………。



今の私は、その現実を受け入れることしかなかったんだ。