「そうかな?
なんか恥ずかしい。」



「なんでよ、自信持てばいいのに。
ほら中に入りなさい?


今日はお父さんも家にいるから。」



「そっか。」



“お父さん”



私はお父さんが本気で無理だった。
お父さんと聞いただけで息苦しくなるくらい。



思い返せば“家族”が嫌いだった。



家に私の居場所はないと思ってた昔の自分に言ってあげたい。



私を含めたみんな、不器用なだけでお父さんもお母さんも、そして5つ上のお姉ちゃんも………



優しくて温かい心の持ち主だと。