「そうなんだね。」
「鈴香はどうなの?」
「私ね、ちゃんと保育士になれたよ!」
「そーなんだ。夢叶ったんだね。」
鈴香は私の言葉に対し、嬉しそうな顔をした。
その時ちょうど電車がやってきて、鈴香もたまたま同じ電車だったから二人で乗り込む。
車内は空いていたため、二人席に腰を下ろした。
ゆっくりと発車する電車に揺られながら、先に鈴香が口を開いた。
「今でも私、引退試合のこと思い出すんだよ。」
……引退試合。
それを聞いただけで、まるで昨日のことのように引退試合の時のことが思い出された。
忘れもしない、引退試合の時のことは。
多分、これから先もずっと。



