その場から逃げたくて、ご飯を食べてから急いで自分の部屋へと行く。



これが日常的になっていた。



リビングへは必要最低限しか行かない。
それ以外は部屋にこもる。



ずっと、ずっと。



いつの間にか、それが当たり前になっていて
いつから部屋にこもるようになったかなんてもう忘れた。



ベッドに横になって、天井を見つめながらさっきの二人の会話を思い出す。



わかるわけないよ、二人が私の気持ちなんて。



私だって二人の………いや、お母さんも入れた三人の気持ちなんてこれっぽっちもわからない。



わかりたくもない。



自分勝手で、思い通りにいかないと気が済まない。



そういう人間なんだ。



ねぇ、それなら………




私はもう諦めるしかない。
なにもかも。



部活引退してから勉強して、専門学校でもなんでもいい。



お父さんが……家族が望むような進学をすればいいんだ。



それならもう、こんな思いはしなくて済むから………




その時、視界が涙で歪んだ。
そして涙がこぼれ落ちる。




いっそのこと、このまま消えてしまいたい。



こんな辛い思いするくらいなら、嫌なことばかり考えるくらいなら、そっちの方が何倍もマシだと。



その考えを受け入れるかのように、私はそっと目を閉じた。