中学のバスケは楽しかった。



だからその時から高校でもバスケを続けようと思っていた。



なのに引退したその日、家族は誰一人として試合に観に来なかったくせに引退した私に向かって言った言葉は『お疲れ様』なんていう甘い言葉じゃなかった。




『やっと、バスケから解放されてこれからはずっと勉強できるな。』




まるで、私が嫌々バスケをやっていたような言い方。



腹が立った。



その言葉に、その後の言葉にも。




『もう高校では続けないだろ?
こんなバスケ漬けの日々で、朝も早いし帰りも遅い。


もう二度とごめんだろうな。』



違う、違う。



その言葉が欲しかったんじゃない。



たった一言でいいから
『今までよく頑張ってきたな。』って言ってほしかった。