家に着くとお父さんとお姉ちゃんが、帰っていた。
最悪。
いつも遅いはずの二人は何故か今日は早い。
玄関を見ると見慣れた靴が二人分並べており、それがお父さんとお姉ちゃんのものだった。
心の中でため息をつきながらリビングへと向かう。
「まだ優梨、部活やってるの?
勉強余裕なのかな。」
リビングのドアを開ける前に、お姉ちゃんの声が聞こえてきて手を止めた。
その言い方に、その言葉に。
一瞬のうちに悔しくなったけど、もう慣れた。
「優梨はお前とは違う。
勉強に対し危機感を持たない人間だ。
こんな時期に部活なんかして、そもそも高校で部活をやること自体間違っている。」
慣れたから大丈夫だと。
何度も心の中で自分に言い聞かせる。