少しの間沈黙が続いたけど、また明るい口調で話し出す彼。



だからより一層彼のことがわからなくなってしまう。



なんで私なのか、あの言葉の意味はなんなのか。



こんな私が気になるなんてどうかしてる。
今まで他人に興味なんて抱かなかったのに。




どうでもいい、はずなのに……。




結局それさえも考えることをやめ、車窓から見える景色を眺めていた。



その間にも彼は話しかけてきたから適当に流す。



そして驚いたことに、彼は私の最寄りの一つ後らしかったから私が先に降りて彼とやっと別れることができた。



そういえば朝、私が乗った時彼の存在に気づかなかったな。



それだけ私は周りを見てないってことなのか。



というかそもそも周りに視線を向けて何かを認識したいという思いがないのだ。



ただぼーっとしてるだけ。



それだけつまらない毎日を送っていたのか、なんて思いながら私は重い足取りで家へと向かった。