「バカじゃないの、そんなわけないじゃない。」



「そうか?
俺は優梨見てすごいなぁって思ったけど。」



「バスケ経験者のあんたに言われても嬉しくない。


それにもうすぐ引退だから、そのためにバスケやってるようなものなの。」



試合に勝ちたいとか、そんな気持ちは正直ほとんどない。




「なんで?」




なのに彼はその理由でさえもストレートに聞いてこようとする。



なんでって、どうして教えないといけないの?



「あんたに言う必要ない。
ほっといて。」



あー、なんでこんな当たりきつくなっちゃうんだろ。



これじゃあ八つ当たりもいいところだ。



「そーだよな、ごめん。
会って一日目の人間に聞かれても信用性ゼロだもんな。」



今のは私が悪いっていうのに、彼は私に謝ってすぐ引き下がった。