「じゃあなんで一緒に帰ろうって行ったの?」
「そんなの、一人より二人の方が楽しいから。」
………こいつ。
結局は自分のためなのか。
半ば呆れつつ、私と彼はエスカレーターから降りてホームで電車を待つ。
「私といても楽しくないでしょ。」
「それを決めるのは俺だから!
それに、もっと優梨のこと知りたいなーって思って。」
裏表のない真っ直ぐな笑顔を向けられると、冗談に感じられなくて一瞬ドキッとしてしまう。
いきなり何……?
「なんで私?」
彼の言葉を聞けば聞くほど、疑問は深まっていくばかり。
こんな私に何故構うのか、やっぱり理由はわからない。
だけど少しの間、沈黙が流れ彼は黙り込んでしまう。
もしかして、それもクラスの全員のこと知りたいとかなんとか言うの?
だけど彼なら言いそうだ。



