その後、改札口を通った私たちはすべて順調かのように思えたのに……
「あ、私こっち方面なんだ。
桐原くんと優梨とは逆だね。」
と、鈴香の口からまさかの言葉が。
待ってよ、ここから私たち二人だってこと？
嘘だそんなの。
彼も鈴香と同じ方面だと言ってほしいのに………
「じゃあここで。
バイバイ、高城さん。」
「………うん、バイバイ！」
なのにそんな願いもむなしく、鈴香だけが反対方面に行ってしまう。
ここで急に二人きりになり、静かな空気が二人の間を流れた。
気まずい……。
何を話せばいいのかわからないし、別に話したいわけじゃない。
ならこのまま私たちも別れて、それぞれ違う車両に乗った方がいいんじゃ……
「優梨？
早く行かないと電車くるぞ。」
「………あ、うん。」
その時、彼に話しかけられ仕方なくついていく形になる。
