たとえ君がいなくなっても私は忘れない





それから駅への道で、私は静かに二人の後ろについて行った。



途中何度か逃げて遠回りしようと試みたけど、私に気を遣ってか、彼が私にまで話題をふってくるから逃げることができなかった。



別に空気扱いしてくれていいのに。



いや、むしろそっちの方が助かる。



だってこんな話続かない人間といても面白くないでしょ?



それに比べて鈴香は楽しそうに話し、彼と会話を続けている。



これからも、もし何かあれば鈴香を誘おう。



もう私、彼が無理になったから。



「あ、もう駅着いちゃった。」
「こういうのって一人だったら長く感じるのにな。」



「私もそう思う!
なんでだろうね?」



……いや、私は逆だ。



誰かと一緒にいた方が気が重くて、長く感じてしまう。



もうそこが他とは違うのだ。