たとえ君がいなくなっても私は忘れない





そして門へと行けば、数人の男子と話している彼の姿があった。



………良かった。



あの輪の中に一人で行ったら絶対男子たちになんか思われてたよ。



今は鈴香に感謝しかない。



「あ、やっと来た。」



そんな私に気づいた彼が、男子たちに何か言ってからこちらにやってくる。



その時、私の隣にいる鈴香に視線をやり明らかに戸惑っていたから私が説明した。



「この子、鈴香って言うんだけどこの子も電車だから三人で帰ろうと思って。


いいよね?」



こう聞かれたらもう嫌だって言えないはず。



なんて思っていたら、予想通り彼は笑顔を浮かべて



「全然大丈夫!」と答えた。



よし、これでなんとか助かった。



「あ、えっと……優梨と同じバスケ部の高城(たかぎ) 鈴香です!


よろしくね!」



少し緊張した面持ちで話す鈴香に対し、彼は優しい笑みを浮かべる。