「鈴香、準備できた?」
「ちょ、ちょっと待って……!変じゃないかな?」
普段から女子力の高い鈴香は今も髪を整えている。
私と鈴香以外のみんなは自転車通学組だから、私たちを見てまだ羨ましそうにしていた。
「よしっ、いけた!
ごめんね優梨。」
「気にしないで?じゃあ行こう。」
いつもは一人で部室を出るけど、今日は鈴香と二人で出たから変な感じ。
その上隣にいるのだから普段一人の私には違和感しかなかった。
「緊張してきたー。」
少し顔が強張っている鈴香に私は微笑む。
「大丈夫だよ。
フレンドリーな人だから。」
「本当?
なら良かった。」
緊張がほぐれたのか、安心した表情に変わっていた。



