だけど今回は話が違う。
鈴香がいてくれるのなら、彼と二人で帰らなくて済む。
それは本当に助かるのだ。
「え?いいの?」
途端に嬉しそうな表情に変わる鈴香はわかりやすい。
「もちろんだよ!
だって私も今日会ったばっかで何話したらいいかわからないし。
鈴香がいてくれると私だって嬉しいな。」
そう笑顔で言えば鈴香の戸惑いはなくなったらしく、快い肯定の返事が聞けた。
よし、これでいける。
どさくさに紛れて逃げるか、鈴香と二人きりにさせて帰ろう。
彼なら鈴香ともすぐ仲良くなれるだろうし、私なんかより鈴香の方が気が合うはず。



