「知ってたって言っても、たまたま電車で同じ制服の人いるなって思っただけだから。
初めてってなんか印象に残るだろ?」
まあ、否定はしない。
確かに初めての電車で同じ学校の人に会ったら印象に残るかもしれない。
でも、だからと言って学校で声までかける?
他にも生徒いたはずなのに。
不審な目で彼を見ていた私に気づいたのろう、彼は苦笑した。
「ま、そういうことだから門で待ってるな!」
私の返事を聞かず、言い逃げるようにして彼は歩いていった。
ちょ、ちょっと待ってよ……!
門で待たれたらもう逃げ場がない。
本当に私、彼と帰らないといけないの?



