「それは嘘だな。
だって俺朝、同じ電車で優梨のこと見たから。」
………だから私が電車って知ってたの?
ていうか電車の時から私の存在を知ってたってこと?
「……気持ち悪。」
ぽろっと、本音が出てしまいその言葉もどうやら彼に聞こえたようで。
「それって俺に対して?」
「それ以外に何があるの?
電車から私のこと知っててわざと学校で声かけたわけ?」
たまたまだと思っていたのに、そう考えたら少し気持ち悪くない?
ていうかなんで私なの?
こんな空気みたいな存在の私を、彼みたいな明るい人間が認知するなんて信じられない。



