その後、三年は部室に向かう。
その間もプレーのことやバスケ関係のことは一切話さない。
恋愛話とか、芸能人の話とか。
そんなことばっかで“緊張感”というものはここにはなかった。
「………おっ、もしかして優梨?」
その時、後ろから誰かの声が聞こえてきた。
今日の朝に初めて聞いた、陽気な声。
なんとなく、嫌な予感がして
恐る恐る振り返る。
「なんでここに?」
そこには案の定、制服姿の彼が立っていたのだ。
相変わらず明るい笑顔を見せて。
「うそ、優梨この人って転校生!?」
そんな私たちを見て、驚いた表情をしている部活メンバーたち。
最悪。
これ部室に帰ったら色々聞かれるやつだ。



