「ううん、違うよ。
私もいきなり話しかけられてびっくりしてる。」
「そんな嘘つくなよー。
朝に友達なっただろ?」
……あんなほぼ一方的なもので友達になったって思わないでほしい。
友達なんて所詮上辺で構わない。
高校では特に。
その上男友達なんてなおさら必要ない。
「朝のあれ、友達になったってことなんだ。
じゃあこれからよろしくね。」
友達に笑顔不自然だって普通言うか?
彼が何を考えているのか、私には全くわからない。
もうなんでもいいや、と思って彼から視線を外した私は前を歩く沙良ちゃんと静ちゃんを抜かした。
それくらい、彼の隣にいるのは不愉快だったのだ。
「優梨ちゃん?
怒ってる……?」
ふと、後ろで沙良ちゃんがそんなことを聞いてきてハッとする。
最悪。
つい、怒りの感情が表に出ていたんだ。
普段はそんな感情も抑えることができるのに。
それも全部彼のせいだと思ったらやっぱり腹が立ったけど、すぐ笑顔に戻して私は二人に笑いかけた。