その時、放送が流れた。
『各学年、体育館に集まってください。』
それは始業式をするため、全校生徒が体育館に集まる合図だった。
先生が話を終わらせ、みんな体育館に移動する。
「転校生、すごく人当たりが良さそうだね。」
「本当に!普通に顔もかっこよくない?」
二人とも、彼のことを褒めていた。
「静にはもう彼氏いるでしょー?
確かにかっこいいけど。ね、優梨ちゃん?」
かっこいい?
一度嫌いと思ったらかっこいいなんて思えないよね。
なんて言うわけにもいかず、笑顔でさらっと嘘をついた。
「そうだね。
明るそうだし、モテそう。」
「えーっ、女の子にそんなこと言われるなんて嬉しいなぁ。」
………いけない、いけない。
一瞬で嫌いになりすぎて、彼の声が聞こえたような気がした。
幻聴だっていうのに………
「颯汰、なに早速女子に話しかけてんだよー。」
「女好きか?」
あれ、待ってこれ幻聴じゃない?
だって沙良ちゃんと静ちゃんが私の隣に視線をやり驚いている。



