たとえ君がいなくなっても私は忘れない





「そこからの話は本当に早かった。


両親が俺に謝って、そりゃ簡単に許せることじゃないけど、



これがなかったら優梨と出会ってなかったかもって思ったら許してた。」



「な………」



颯汰の存在を、なかったことにされたんだよ?



簡単に許せることじゃないっていうのに。
バカだ、颯汰は。



本当に……



「それで今日で終わった。
“裕太”としての仕事が全部。


兄ちゃんに引き継ぎして、明日から俺は“颯汰”として兄ちゃんを支える仕事に変わる。


多分副社長になると思うんだけど、颯汰としていられるならなんでもいいし兄ちゃんを支えたいって思った。」



颯汰の瞳にもう迷いはなかった。



「だけど欲張りな俺は、颯汰に戻った瞬間どうしても優梨が欲しいと思ったわけで。


あいつらに事情話して頼んだ。
今日この日に、優梨と会いたいって。


サプライズ的な感じで。」



成功した?と、幼い笑顔を向けられる。



そんなの………



「大成功だよ、バカ。
もう涙止まらないじゃんか。」



涙を拭うけど止まらない。