「そんな、私なんか全然だよ。
静ちゃんこそ可愛いし絶対モテるでしょ?
彼氏いるの?」
女子特有の褒め合いはもう慣れたから、適当に流して話題を私から静ちゃんに変える。
「静はいるよ!
もう二年らしいの。」
「ちょっ、沙良!
勝手に言わないでよ〜」
二人とも楽しそうだ。
………良かった。
グループは三人以上いた方が私にとっても都合がいい。
一人の時間が作れるからだ。
その後も二人の中になんとなく入って話をしていたら、新しい担任の先生が教室に入ってきた。
少しの間先生が話した後
「ちなみにもう気づいてるだろうけど転校生がいてな。
桐原、その場で立って自己紹介しなさい。」
と彼の方を見て言った。
彼を見ると嫌でも思い出すさっきの言葉。
………あんたに何がわかるっていうのよ。
思い出しただけでイラッとしてしまう。
こんな感情的になるのはいつぶりだろう。



