たとえ君がいなくなっても私は忘れない





ーーー薄れゆく意識の中で



颯汰が私の名前を呼んだ気がした。
私の耳元で、色っぽいその声で。



『優梨……好きだ。
愛してる。』



と…………。







「………ん。」



ゆっくりと目を開ける。
だけどぼーっとしていて状況が理解できない。



見慣れた私の家の天井と、横になっている私。



それにベッドの上で……




「………っ!!」




思い出した、全部。
昨日私と颯汰は、一線を……越えた。



思い出せば恥ずかしくて顔があつくなる。
起き上がると確かに身体が重い。



あれから、颯汰の温かさに包まれる中
私は意識を手放したんだ。



ゆっくりと隣を見る。
シングルベッドの私の隣には、誰もいない。



ドクンと、心臓が嫌な音を立てた。



部屋を見渡す。
だけど誰もいない。



静まり返った部屋で、私だけがそこにいた。





颯汰が………いない。