たとえ君がいなくなっても私は忘れない





「もう無理だ。
ここまで来たら止められない。


ダメだってわかってても、限界。


優梨がこの先、他の男とって考えただけでも無理なんだ、耐えられない。」



颯汰がじっと私を見つめる。



熱を帯びたその瞳は少し潤んでいるようにも見えた。



「優梨……」



色っぽい声が私を呼ぶ。



私……覚悟は、できてる?
自分で自分を問う。



………うん、できてる。



私だって忘れたくない。
颯汰のこと。



颯汰がこの先、結婚話を持ちかけられるかもしれない。



政略結婚とか、お見合いとかで
親に持ちかけられる可能性の方が高い。



そんなことを考えたらもう辛くてたまらない。



考えたくもない。
颯汰と同じ気持ち。



じゃあ、答えは一つだから………。



颯汰の隣に座る。
もう笑ってない、真剣な瞳が私を捉える。



そして颯汰が私を抱きしめた。



今までよりも、ずっときつく。



そしてキスを交わす。
泣きそうになるのをぐっとこらえながら……




『愛してる。』




私も颯汰もきっと同じ気持ち。
だけどお互いその言葉が言えないのは………



前に進むためだから。
気持ちの確認はしない、だけどもう伝わってる。



十分すぎるくらいに。
胸が苦しく痛いくらいに。



でも、心の中では言わせてほしい。
颯汰を、“愛してる”と………。