なんて言えるはずもなく、また笑顔でそうだねと返した。
ちょうどその時
「あっ、沙良〜!」
と沙良ちゃんの名前を呼ぶ声が聞こえてきた。
「あー!静(しず)だ!
今年は一緒のクラスになれたね!」
どうやら沙良ちゃんの知り合いのようで、二人は親しく話していた。
……ちょうどいい。
私はまた窓の外に視線を向ける。
ぼーっとしてる時間が意外と好きだ。
「優梨ちゃん!
この子、あたしと一年の時同じクラスだった静って言うんだ!」
そしたらまた、沙良ちゃんに話しかけられる。
「静でいいよ!
優梨ちゃん、よろしくね。
すごく綺麗な子だなーって思ってたんだ。」
そして静ちゃん、という子にも話しかけられるわけで。
静ちゃんはセミロングの髪にパーマがかかっていて、大きな目が特徴的な可愛い子だった。



