「ありがとう。
私に声、かけてくれて。
最初はなんだこいつって引いたけど、今思えばそれも思い出。
颯汰には感謝しかない。」
「ははっ、なんか最初けなされたけど、どういたしまして。」
私と颯汰は笑い合う。
そしてまた、視線を前にやる。
オレンジ色の空がだんだんと暗く染まっていく。
タイムリミットはもうすぐそこ。
「……引っ越してから“裕太”として生きてきたけど、どうしても優梨のことだけは忘れられなかった。
忘れる気もなかったけど、それのおかげでなんとか自分を保てて
だけど昨日優梨に会うまでは結構やばかった。
精神的にも肉体的にも、正直壊れかけてた。
けど……
これからはもう、何が会っても大丈夫な気がしてきた。だって優梨が憶えててくれた、来てくれた。
本当にありがとうな。」
また、そんな言い方する。
永遠の別れのような、そんな言い方。



