「それで始業式の日、電車に乗って一駅先から………
優梨が乗ってきたんだ。
あの時の優梨の表情とか雰囲気とか、俺ずっと心に残ってる。
それぐらい似ていたんだ。
全部全部、諦めたような大げさに言えばこの世界に絶望して、無理やり過ごしてる感じがした。
そこで俺は直感で思った。
『俺はこの子を変えるために、俺と同じ道を歩ませないように自由をもらったんじゃないか』って。
会って数分でこんなこと思っておかしいよな。
だけど教室に向かう時に声かけて、そしたら同じクラスだったから運命だなって思った、これは。」
颯汰と初めて会った日。
明るい颯汰に対し、私とは全然違う人間だと思ってた。私の何がわかるんだって。
でも、違った。
颯汰は私なんかより、ずっとずっと暗い場所にいたんだ。
「ごめん颯汰……偽善者なんて、酷い言葉ぶつけて。
私なんてずっとずっと幸せな位置の人間だったのに、それに気づけなくて颯汰を傷つけた。」
「傷ついてないよ、俺。
偽善者って言われた時はちょっと傷ついたかもしれないけど、それ以外は別に大丈夫。
それにその後、優梨はちゃんと向き合えて変われたんだから。」
逆に嬉しかったって、颯汰は笑ってくれたんだ。



