たとえ君がいなくなっても私は忘れない





「………うわぁ、綺麗。」



そして海に着く頃には夕日が沈みかけていて、空がオレンジ色に染まっていた。



水族館とはまた違った綺麗さに私はつい見惚れてしまう。



「………優梨。」



その様子を二人、腰を下ろしながら眺めていた。



「なに?」



隣を見ると、相太は真っ直ぐ前を向いていた。



「昨日、来てくれて本当にありがとう。
もう会えないって思ってたから、本気で嬉しかった。


夢かとも思ったし。」



少し笑みをこぼしながら言う颯汰だったけど、その笑顔はいつもと違う。



「私を、そこまで連れて来てくれたのは颯汰のお姉さんだよ。


それまで私は何も知らなかった。」



「でも優梨は来てくれて、あの空気の中俺の名前を呼んでくれた。


それで見失いかけてた自分を思い出した気分になったんだよ。」



その時、ようやく颯汰が私を見た。