たとえ君がいなくなっても私は忘れない





そんな颯汰に対し、声をかけようとしたら明るい笑顔へと変わった。



「じゃあ行こっか。
イルカショーまで結構いい時間だから。」



つながれた手は離されなくて、颯汰は歩き出す。



刻一刻と近づく時間と比例するように胸が苦しくなる。



笑って、私。
今は泣くべきじゃないから。





……それからイルカショーを観て、たくさん騒いだ後お土産コーナーに行った。



「せっかくだしなんか買おう!
思い出だ思い出。」



颯汰は笑ってストラップとかぬいぐるみとか一個ずつ指差していく。



「どれがいい?
女ってやっぱりぬいぐるみ?」



「まあ、あんまり大きくなくて邪魔にならないやつなら……」



「ははっ、優梨らしい。
じゃあ俺からのプレゼント。」



「え、そんなの悪いよ。
じゃあ私もなんか買わせて。」



「お互いに買い合うってこと?
いいな、恋人っぽい。」



恋人っぽい。
だけど私たちは恋人ではない。



それが現実に突きつけられ、また苦しくなるのを我慢した。



苦しいのは、私だけじゃないから………。