……わからない。
答えが出るはずもないから私は考えることをやめ、教室に入る。
彼のいる方を見ないようにして自分の席に座った。
一番端の窓際の席だったから外の景色がよく見える。
今もまだ多くの生徒が登校していて、その様子がはっきりと視界に入る。
みんな、楽しそう。
だけど羨ましいとは感じない。
逆に自分はこんな人たちとは違うんだって思うし、早く大人になりたいとさえ思った。
なにが青春は一度きりだ。
そもそも青春ってなに?
どうでもいい。
そんなことより早く大学に行って仕事に就いて、家を出たい。
そう、家を出たいんだ。



