たとえ君がいなくなっても私は忘れない





ーーーそれからお姉さんに家まで送ってもらい、部屋に入る。



荷物を置き、お風呂とか入らないといけないけどそれどころじゃなかった。



うずくまるようにして座り込む。



我慢してた涙が、この時ようやく溢れだした。



久しぶりに会った颯汰。
嬉しいはずなのに、苦しい。



私が颯汰を苦しめた。



颯汰は裕太さんになりきれてない。
それは、私の存在があるから?



私のことを忘れない限り、颯汰は裕太さんになりきれない?


それも、あるかもしれないけどやっぱり颯汰は颯汰なのだ。



周りがどうこう言おうと自分を別の人として生きるなんてそう簡単にできるものじゃない。



苦しんでる、颯汰は今も、昔も。



私と出会った日も、私と出会う前までも、私と別れたあの日からもずっと……



「………っ。」



心の中で謝る。
ごめんなさい、何も知らないまま過ごしてしまって。



颯汰に助けてもらってばかりで、何もしてあげられなくてごめん。



ごめんね、颯汰……。