たとえ君がいなくなっても私は忘れない




「ちょ、お母さん優梨ちゃんに何して……!」



「あなた……余計なことしないでちょうだい!!」



お母さん、と呼ばれた人は綺麗な人で、その目が私を見下すように睨んでいた。



怒りが含まれているその表情。



「あの子は裕太です…!
あなたのせいで裕太だけでなく、みんなも戸惑っています。


これ以上裕太の邪魔しないで!」



余計なこと?
裕太さん?
邪魔しないで?



何を言ってるの?
この人は………この人は本当に颯汰のお母さんだよね?



なら、なんで………



「なんで颯汰の気持ちを考えてあげないんですか!?


あの人は裕太さんじゃありません!
颯汰です!」



颯汰の居場所を奪わないで。
存在を消さないで。



なのに私の言葉に対して、颯汰のお母さんはもっと怒りを露わにした。



「颯汰なんてもういない!
ずっと前からいなくなったの!


今目の前にいるのは裕太、裕太です!」



わかってくれなくて
颯汰の存在を消したことを認めた颯汰のお母さん。



すごく悲しくなった。
胸が苦しくなった。