たとえ君がいなくなっても私は忘れない





「あの、どういう意味ですか?
目の前にいるのは颯汰じゃ……」



「颯汰だよ。
末っ子の颯汰であってる。」



お姉さんは確かにそう言った。



じゃあなんで長男や裕太という名前が出てきたの……?



私の疑問に答えるかのように、お姉さんはまた話し出した。



「植物状態で眠ってるのが長男である、私のお兄ちゃんの裕太。



それで今目の前にいるのが末っ子の颯汰。



だけど両親は長男に後を継がせることに執着してた。



最初はね、期待してたの。
お兄ちゃんが目を覚ましてくれるんじゃないかって。



だけどその期待がだんだん焦りへと変わっていった。



“お兄ちゃんはもう目を覚まさないんじゃないか。このまま二度と起きないんじゃないか。”



そこからだよ。
颯汰への教育がひどくなったのは……」



お姉さんの言葉一つ一つが胸に突き刺さるような感覚に陥り、苦しくなる。



さっきからドクドクと心臓の音がうるさい。