たとえ君がいなくなっても私は忘れない





確かに容姿は大人になった颯汰だった。
スーツを着て、私なんかよりもずっと年上に見える。



でも問題はそこじゃない。



だって……



颯汰の表情は驚くほど冷たかった。
無表情で笑顔はない。



昔のような優しい雰囲気を一つも感じられなかった。



知ってる、この表情。
全てに対して諦めているような、絶望しているような。




…………それは明らかに昔の私だった。




全てを諦め、どうでもいいと思っていた頃の鏡に写った私の姿。



本当にひどい顔をしてた。
無表情で冷たいなって、自分でも思ってた。



でも変えようとも思わなくて、それさえもどうでもいいやって思ってた。



あの頃の私と、今の颯汰は重なって見えたんだ。