たとえ君がいなくなっても私は忘れない





「ごめんなさい、捕まっちゃって。」
「あ、いえ……大丈夫です。」



むしろ気を遣わせちゃって悪いな。



「そろそろ始まる頃かしら。
少し移動しましょう。」



お姉さんは私の腕を引き、隅から真ん中へと移動した。



それから少しして会場全体が暗くなる。
挨拶が始まるのだろう。



一番前にある舞台の上がライトで照らされ、大人の男の人が登場した。



「あれがお父さん。」



とお姉さんが説明してくれた。



あの人が、颯汰の、お姉さんのお父さん。
確かに厳しそうな人だった。