たとえ君がいなくなっても私は忘れない






「私はまだ女だったからっていうのもあってマシだった。


だけどお兄ちゃんと颯汰は男っていうこともあってひどかった。



跡を継がせたかったんだと思う。
二人に。」



お姉さんの表情は悲しげだった。



そうだったんだ………私、颯汰のこと何も知らなかった。



だから賢いし、確か虫取りとかゲームとかしたことないって言ってたな。



それは悪影響だって親が判断したから?



「習い事とかいっぱい通わせて、親は完璧な人間を求めたの。



それでもお兄ちゃんや颯汰は笑ってた。



いつも笑顔で、あんな強要されてなんで笑えるのっていつも思ってた。



だけどお兄ちゃんは『笑って、なんでも楽しいって思ってやれば楽しいんだよ』ってポジティブな考えしてて。



そんなお兄ちゃんを見て、颯汰も同じように笑ってた。そんな二人を私は尊敬してたし、颯汰もまたお兄ちゃんとを尊敬してた。」



颯汰が、なにかを抱えていたのにずっと明るくて自然な笑顔を浮かべてた理由が



この時初めてわかった。