「お願い。
どうしてもあなたに来てほしいの。」
お姉さんは泣きそうになりながら私にそう言った。
そんなお姉さんを見て、ただ事ではないと思った。
きっと何かがあったのだと。
だから私は迷わず車に乗り込んだ。
車が動き出した。
「ごめんね、いきなりこんなことして。」
「いえ……大丈夫です。」
お姉さんと会ったのは、もうずっと前だったから初対面の感じがして緊張する。
「どうしても、来てほしかったの。
今の颯汰を黙って見るのなんて、私には耐えられなくて………」
お姉さんの声が震える。
颯汰………久しぶりに聞いた、私の好きな人の名前。
だけど苦しそうだった。
「あの、なんで私を……?」
「………颯汰は、あなたの存在があるからまだ自分を保っていられてるの。
だけどそろそろ限界がきてる。
颯汰は自分を見失いかけてるから……どうか、あなたに会ってほしくて。」
自分を保つ?
自分を見失いかけてる……?
颯汰は一体、どんな環境で生きているの………?



